【医師解説】修飾麻疹とは?普通の麻疹との違い・受診の目安をわかりやすく解説
- 2026年3月6日
- 感染症あれこれ
最近、麻疹(はしか)について耳にする機会が多いかと思います。
「修飾麻疹」という言葉を聞いたことはありますか?
これは通常の 麻疹(はしか)とは少し違い、症状が軽く出るタイプの麻疹です。しかし、症状が軽いため見逃されやすく、知らないうちに感染を広げてしまう可能性があります。
この記事では、
・修飾麻疹とは何か
・普通の麻疹との見分け方
・感染した場合の注意点
について、医療機関の立場からわかりやすく解説します。
修飾麻疹とは?
修飾麻疹(modified measles)とは、麻疹の免疫が少しある人に感染した場合に、症状が軽くなる麻疹です。
主な原因は次の通りです。
・麻疹ワクチンを1回だけ接種している
・ワクチン接種から長期間経っている
・免疫が完全ではない状態で感染した
つまり、免疫がゼロではないため症状が弱くなるのが特徴です。
普通の麻疹との違い
通常の麻疹と修飾麻疹では、症状の強さや経過が異なります。
|
症状 |
普通の麻疹 |
修飾麻疹 |
|
発熱 |
39~40℃の発熱 |
微熱~38℃程度 |
|
発疹 |
顔から全身に広がる |
少ない・軽い |
|
咳・鼻汁 |
強い |
弱い |
|
口の中 |
コプリック斑が出る |
出ないことも多い |
|
体調 |
強い倦怠感 |
比較的元気 |
修飾麻疹は風邪や軽いウイルス感染と区別が難しいことがあります。
麻疹の典型的な症状の経過
通常の 麻疹(はしか)では、次のような経過をたどります。
① カタル期(2〜4日)
風邪のような症状(高熱、咳、鼻水、目の充血)
この時期に口の中に コプリック斑 と呼ばれる白い斑点が出ることがあります。
② 発疹期
その後、
顔から発疹が出る→体や手足へ広がる、高熱が続くという経過になります。
修飾麻疹では、この典型的な流れが崩れるため診断が難しくなります。
大人が麻疹に感染した場合の注意点
麻疹は子どもの病気と思われがちですが、大人の方が重症化しやすいといわれています。
注意すべき合併症には次のものがあります。
肺炎
麻疹の合併症として多く、重症化することがあります。
脳炎
約1000人に1人程度で起こるとされる重い合併症です。
症状:けいれん、意識障害、強い頭痛
後遺症が残ることもあります。
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
非常にまれですが、麻疹感染から数年後に発症する神経の病気です。
麻疹は非常に感染力が強い病気です!
麻疹は感染症の中でも特に感染力が強い病気として知られ、免疫がない方が感染するとほぼ100%発症するといわれています。
<特徴>
・空気感染する
・同じ空間にいるだけでも感染する可能性
・重症化すると肺炎や脳炎などの合併症を起こす
そのため、早期の対応が非常に重要です。
「麻疹かも?」と思ったときの受診方法
発熱や発疹があり麻疹が疑われる場合は、直接医療機関に行かず、まず電話で相談してください。
<理由>
・感染力が非常に強い
・院内感染を防ぐ必要がある
医療機関では、別室対応、専用動線などで診察を行う場合があります。
麻疹の予防方法
麻しん予防にはワクチンが最も重要です。
麻しんは手洗いやマスクだけでは十分に防ぐことが難しく、ワクチン接種が最も有効な予防方法です。
日本では、MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)を
・1歳
・小学校入学前
の2回接種することが推奨されています。
ワクチン2回接種で95〜99%の予防効果があるとされています。
麻しん(はしか)ワクチンの緊急接種
神奈川県では、麻しん(はしか)の感染拡大を防ぐため、患者さんと接触した可能性のある方を対象に、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)の緊急接種が実施されています。
接触後72時間以内のワクチン接種が有効
麻しん患者と接触した場合でも、接触後72時間以内にMRワクチンを接種することで発症を予防できる可能性があります。
神奈川県の取り組みでは、保健所の調査により麻しん患者との接触が確認された方を対象に、条件を満たす場合は無料でワクチン接種を受けることができます。
<対象となる方>
次のような条件に該当する方が対象となります。
・保健所の調査で麻しん患者との接触者と特定された方
・生後6か月以上で1972年10月1日以降に生まれた方
・麻しん患者との接触から72時間以内
・麻しんにかかったことがなく
ワクチン未接種、接種歴が不明、1回のみ接種、抗体が低い
※妊娠中の方は接種できません。
対象の方には保健所から個別に連絡があり、接種可能な医療機関が案内されます(接種医療機関は一般には公開されていません)。
まとめ
修飾麻疹の特徴は、
・症状が軽い
・風邪と間違えやすい
・しかし感染力はある
次のような症状がある場合は注意が必要。
・発熱(微熱のこともあり)+発疹
・咳・鼻水を伴う
・麻疹患者との接触がある
気になる症状がある場合は、まず医療機関に電話で相談してから受診しましょう。
参考文献
・国立感染症研究所 麻疹
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/measles/index.html
・厚生労働省 麻疹
・神奈川県ホームページ
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/prs/r7607352.html
川崎市高津区小児科 二子新地ひかりこどもクリニック
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