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年末年始の帰省・旅行で気をつけたい!食物アレルギー・鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎を持つお子さんの注意点まとめ-小児科・皮膚科 日曜診療-二子新地ひかりこどもクリニック

年末年始の帰省・旅行で気をつけたい!食物アレルギー・鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎を持つお子さんの注意点まとめ

もう2025年も終わりに近づき、気づけば12月になりましたね。

年末年始には、実家に帰省したり、旅行に行く予定をたてているご家族も多いと思います。移動による環境の変化、普段と違う食事が多くなるため、アレルギー症状が出やすい時期でもあります。

アレルギーをお持ちのお子さんが年末年始に安心して過ごすために、帰省・旅行先で気を付ける注意事項をまとめてみました。


 

アレルギーとは?

アレルギーとは、本来は体に害のないもの(花粉・食べ物・ダニ・ハウスダスト・ペットの毛など)に、体の免疫システムが過剰に反応してしまう状態のことです。

この反応によって、くしゃみ・鼻水・かゆみ・発疹などの症状が現れます。場合によっては、呼吸がしにくくなるなど、重い症状が出ることもあります。

 

1.共通の注意点

① いつも使用している薬は多めに持参しましょう

内服薬、吸入薬、塗り薬、点鼻薬など、滞在日数より余裕をもって準備してください。

旅行先では薬がすぐに手に入らないことがあります。

 

② 緊急時用の薬を必ず携帯しましょう

食物アレルギーの方は エピペン(処方されている場合) を、喘息の方は 発作時の吸入薬 を必ず手元に置いておきましょう。

すぐ取り出せる場所(母子手帳ケース、バッグの外ポケットなど)に入れておきましょう。

 

冬場こそ健康状態を崩しやすい時期です

寒さ・乾燥・寝不足・疲労は、どのアレルギー症状も悪化させます。

こまめな休息・保湿・水分補給を心がけましょう。

 

医療機関の確認をしておきましょう

帰省先・旅行先の近くの小児科や救急医療機関を事前に調べておくと安心です。

年末年始はお休みのクリニックが多いため、救急外来(病院)の受診先を確認しておきましょう。


 

小さいお子さんの場合には食物アレルギーに注意が必要です。

看護師の私も、1歳の娘を連れての帰省中、義理の祖父母がまだあげてないお菓子や食べ物・飲み物をあげてしまっていたことがあります。

少しヒヤッとした出来事でした。

めいっぱい楽しめるよう、帰省先でアレルギー症状ができるだけ出ないよう、できる対策をご紹介します。

 

2.食物アレルギーのお子さん

食事の内容を必ず確認、情報共有しましょう

おせち料理や外食では、『特定原材料』が隠れている場合があります。

(例:かまぼこ・伊達巻・そば・ナッツ類・エビ・カニなど)

親戚・友人へ「食べられない食材」を事前に伝えておきましょう。

 

加工品・手作り料理に注意しましょう

手作り料理は成分表示が無いため要注意です。

離乳食は、普段食べ慣れている食品を持ち込むのも安心です。

 

まだ摂取していない食物がある場合、摂取する前に親に確認するよう、祖父母に声をかけておくことも大切です。

また、帰省先や旅行先では、新しい食材は控える、大人と同じスプーンは使わないなど、ちょっとしたことですが意識しておくと安心です。

 

誤食時の対応を家族で共有しておく

万が一に備えて、症状が出たらどう行動するか(内服エピペン受診など)、対応の順番を家族全員で確認しておいてください。


 

最近は花粉症やダニアレルギー、ペットでアレルギー症状がでるお子さんも増えてきました。

実家でペットを飼っている場合などの対応をご紹介します。

 

3.アレルギー性鼻炎(花粉症・ダニ・動物アレルギーなど)のお子さん

帰省先に動物がいる場合

犬・猫のいる家では症状が強く出ることがあります。

こまめな換気や、動物のいる部屋を避けるなどの工夫をしましょう。

 

寝具の環境が変わることによる悪化

久しぶりに使う寝具やカーペットはあらかじめ洗濯や天日干しをお願いしておきましょう。

ダニ・ホコリに反応しやすいお子さまは、枕カバーやタオルケットなど馴染みのものを持参すると安心です。

 

抗アレルギー薬は継続して服用

症状が安定していても、年末年始は環境が変わるため薬を自己判断で中止しないようにしましょう。

 

4.喘息のお子さん

冬の冷たい空気は発作の引き金になります

外出時はマスクで口元を覆うなど、冷気を直接吸い込まない工夫をしましょう。

 

喘息コントロール薬の中断は禁物

「調子が良いから」と薬をやめると発作に繋がります。普段通りの服薬・吸入を継続してください。

 

発作時の吸入薬は必ず携帯

旅行中は発作時の吸入薬が命綱です。宿に到着したらすぐ、吸入器を使いやすい場所に置いておきましょう。

 

5.アトピー性皮膚炎のお子さん

乾燥対策が最重要

冬場はホテルや実家も非常に乾燥します。室内では加湿器を使って適度な湿度を保つ、空気清浄機も有効です。

保湿剤は多めに持参し、入浴後はすぐに全身へ塗布しましょう。

 

石けん・シャンプーの違いによる悪化に注意

慣れない製品は刺激になる場合があります。普段使っているものを小分けにして持っていきましょう。

 

衣類にも気を配りましょう

ウール素材はかゆみを悪化させます。肌に直接触れる部分は綿素材がおすすめです。


 

最後に

旅行や帰省はお子さんにとって楽しみなイベントです。事前の準備と少しの工夫で、多くのトラブルは防ぐことができます。

万が一、帰省先で症状が強くなってしまうことも考え、帰省先にも母子手帳やお薬手帳、マイナ保険証(もしくは資格確認証)を持っていきましょう。

 

症状が普段から出やすい場合など、事前にご相談いただければ、帰省先で困らないよう、お薬をその分処方することも可能です。

ご不安な点がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。皆さまが安心して年末年始をお過ごしいただけるよう、スタッフ一同サポートいたします。

 

【参考文献】

・食物アレルギーの診療の手引き2023(厚生労働省科学研究班)

https://www.foodallergy.jp/wp-content/uploads/2024/04/FAmanual2023.pdf

・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024(日本皮膚科学会ガイドライン)

https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/ADGL2024.pdf?utm_source=chatgpt.com

・学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン(令和元年度改定)

https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_R010060/R010060.pdf

 

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院長 久保田 亘
記事監修
院長 久保田 亘

昭和大学医学部 卒業、東京歯科大学市川総合病院、慶應義塾大学病院 小児科学教室、けいゆう病院 小児科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立小児総合医療センター 腎臓内科

日本小児科学会 小児科専門医、日本小児科学会 認定小児科指導医、日本腎臓学会 腎臓専門医、日本医師会 認定産業医

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