【2026年花粉症対策】子どもの鼻水・くしゃみが止まらない…重症例に使われる「ゾレア」とは
- 2026年1月5日
- 専門外来(アレルギー、おねしょなど)
毎年多くのお子さんやご家族を悩ませる「花粉症シーズン」が、今年もやってきますね。
お子さんの場合、花粉症の症状が風邪と見分けにくく、集中力の低下や睡眠不足につながることもあります。
「症状が出てから」ではなく、「本格的に飛び始める前からの対策」がとても大切です。
◆ 2026年のスギ花粉飛散は昨年より多い予想
関東では例年と同じく2月上旬ごろから本格的に飛び始める予想ですが、気温の上昇によっては、例年より少し早く症状が出始める可能性も指摘されています。
今年の花粉飛散量は、九州から近畿では例年並みと予想される一方、東海から北海道にかけては、例年の1.3~2.5倍と、かなり多くなる見込みです。
「まだ1月だから大丈夫」と油断していると、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状が急に現れることもありそうです。
◆ そもそも花粉症ってどんな病気?
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が体に入ることで起こるアレルギーです。
花粉が鼻や目から体内に入ると、体は「異物」と判断し追い出そうとします。その結果、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみや充血、涙といった症状が現れます。
この反応は「抗原抗体反応」と呼ばれ、風邪や感染症とは異なり、花粉が飛ぶ季節に繰り返し起こるのが大きな特徴です。
近年では子どもの患者数が急増しており、子どもでも決して珍しいものではなくなっています。
花粉症の原因となる主な植物
花粉症を引き起こしやすい植物は、地域や季節によって異なります。
春:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカバ
初夏:カモガヤなどのイネ科植物
秋:ブタクサ など
大気汚染物質、たばこの煙、ストレス、空気の乾燥などは、症状を悪化させる要因として知られています。
◆ 子どもはいつから花粉症になるの?
花粉症は大人の病気と思われがちですが、早い場合は1~2歳ごろから症状が出始めることもあります。
最近では、2~3歳で診断されるケースも増えており、年齢が上がるにつれて発症するお子さんが多くなる傾向があります。
また、ご両親のどちらか、または両方にアレルギー体質がある場合、お子さんもアレルギーを起こしやすい体質を受け継ぐ可能性があるといわれています。
◆ 花粉症が子どもに与える影響とは?
花粉症は「鼻や目の症状だけの病気」ではありません。
症状が続くことで、次のような影響が出ることがあります。
① 睡眠不足
鼻づまりにより眠れない、眠りが浅くなることで、日中の集中力が低下し学習に影響がでることがあります。
② 思いきり体を動かせない
外遊びやサッカーや野球などのクラブ活動に支障をきたすことがあります。
③ 副鼻腔炎・中耳炎のリスク
口呼吸になったり、鼻汁が続くことで副鼻腔炎や中耳炎につながることがあります。
④ 皮膚トラブルや結膜炎のリスク
目や鼻を擦りすぎてしまい、皮膚トラブルをきたすことがあります。
⑤ イライラ、気分不安定になる
花粉症による不快感から精神面にも影響してしまいます。
子どもの場合、鼻水やくしゃみが花粉症なのか、風邪なのか判断しにくい場合が多いと思います。
保育園などでは、花粉飛散時期に外遊びしたあとから目が赤くなる、鼻を擦りやすくなるいった症状がある場合には注意が必要です。
顔を洗って花粉を落とす、目が腫れた場合には保冷剤などで冷やすなどすると応急処置になります。
◆ 早めの検査と治療が大切
「毎年この時期になると鼻水が出る」
「風邪をひいていないのにくしゃみが続く」
そんな様子が見られたら、花粉症のサインかもしれません。
花粉症の検査
花粉症の症状は、鼻水やくしゃみなど風邪とよく似ているため、正しく見分けることがとても大切です。
当院では、お子さんの年齢や症状に応じて、以下の検査を組み合わせて行います。
血液検査(特異的IgE抗体検査)
花粉やハウスダストなど、アレルギーの原因物質に対する反応を調べます。
鼻の診察(鼻鏡検査)
鼻の中の粘膜の腫れや分泌物の状態を確認します。
指先の採血1滴でできるアレルギー検査(ドロップスクリーン)
当院では、花粉症などアレルギーの原因を詳しく調べる検査として、ドロップスクリーン検査を行っています。
この検査では、スギやヒノキ、ハウスダストなど41項目を、指先から1滴の血液で調べることができます。
・採血は短時間で終了、子どもでも検査の負担が少ない
・大人も検査可能(保険診療で可能です)
※当院では、翌日以降に結果をご説明いたします。
※検査をご希望される場合は、17時までにご来院ください。

写真:ドロップスクリーン機器

表:上記のような結果がでます
「何に反応しているのか」を知ることで、より適切な治療や生活対策につなげることができます。
◆ 花粉症の治療ってどんな方法があるの?
① 症状を抑える治療(対症療法)
現在出ている症状をやわらげる治療です。
・飲み薬(抗アレルギー薬)
・点鼻薬
・点眼薬
花粉が本格的に飛び始める前や、症状が軽いうちから薬を使い始めることがポイントです。
症状の出現を遅らせたり、症状を軽くする効果が期待できます。
アレジオン眼瞼クリーム
1日1回目の周りにクリームを塗ることで皮膚から吸収し、目のかゆみを抑える効果があります。
小児でも使用することが可能です。
目薬がうまく使えないお子さんには効果的なお薬です。
https://www.santen.com/jp/healthcare/eye/library/allergic_conjunctivitis/acream/howto
② 体質改善を目指す治療(根本療法)
舌下療法(アレルゲン免疫療法)と呼ばれる治療法です。
原因となる花粉のエキスを少量ずつ体に取り入れ、花粉に反応しにくい体をつくることを目指します。
すぐに効果が出る治療ではありませんが、数年間続けることで、症状の軽減や薬の使用量を減らすことが期待できます。
◆ 花粉症にも「重症度」があります
花粉症の重症度は、症状の強さや生活への影響をもとに、「軽症」「中等症」「重症」「最重症」の4段階に分けられます。
判断の目安となるのは、次の3つです。
・1日に起こるくしゃみ発作の回数
・1日に鼻をかむ回数
・鼻づまりの程度
たとえば、「1日中ほとんど鼻が詰まっていて、口呼吸になっている」場合は、回数に関係なく最重症と判定されます。

図:アレルギー性鼻炎症状の重症度分類
重症度を正しく把握することで、お子さんに合った治療方法や薬の選択が可能になります。
まずはご自身の重症度を確認してみましょう。
◆ 重症花粉症の治療薬「ゾレア」
ゾレア(一般名:オマリズマブ)は、重症~最重症のスギ花粉症に対して使われる、注射による治療薬です。
これまでの飲み薬や点鼻薬などの治療では十分な効果が得られなかった方に対し、アレルギー反応そのものを抑える新しい仕組みをもつ治療薬として注目されています。
ゾレアのしくみ
ゾレアは、花粉症の原因となるIgE抗体の働きを抑えることで症状を軽くします。
① IgE抗体と結合する
花粉症では、体の中で作られるIgE抗体が引き金となってアレルギー反応が起こります。ゾレアは、このIgE抗体に直接結合し、働きを弱めます。
② アレルギー細胞の活性化を防ぐ
通常、IgE抗体が肥満細胞や好塩基球と結びつくと、ヒスタミンなどの炎症物質が放出され、くしゃみや鼻水が起こります。ゾレアはこの結合を防ぐことで、炎症物質の放出を抑制します。
③ 花粉症の症状をやわらげる
その結果、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといった、つらい症状が軽減されます。
ゾレアは、従来の治療薬で十分な効果が得られなかった場合でも、症状の改善が期待できる治療法です。花粉症の症状が強くなる前に投与することが大切です。
ゾレア治療の対象となる方
ゾレアは、すべての花粉症の方が使える治療ではありません。
以下の条件をすべて満たす必要があります。
1.重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)で、前シーズンにも強い症状があった方
2.スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体がクラス3以上
※血液検査が必要です(保険適用)
3.抗アレルギー薬などの既存治療を1週間以上行っても効果が不十分だった方
4.12歳以上、体重20~150kgの範囲にある方で、血液検査による総IgE値が30~1,500IU/mL

図:体重と血液検査結果(総IgE値)による投与量の早見表
ゾレアの接種間隔・費用
ゾレアは、注射(皮下)で投与します。
治療開始前の血液検査結果(総IgE値)と体重をもとに投与量や接種間隔(2週間または4週間ごと)を決定します。
費用は保険診療となり、負担額は年齢や保険負担割合によって異なります。

表:ゾレア薬剤料(別途、診察料がかかります)
※詳しい金額については、受診時にわかりやすくご説明いたします。
◆ つらい花粉症でお悩みの方へ
「毎年、花粉の季節が本当につらい」「薬を使っても症状が抑えられない」
そんなお悩みをお持ちのお子さん・ご家族にとって、ゾレアは新しい選択肢のひとつです。
症状が強い方は、どうぞお気軽にご相談ください。
【参考】
・鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版
・2026年春の花粉飛散予測(第2報):日本気象協会
https://tenki.jp/pollen/expectation/
・保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)
川崎市高津区小児科 二子新地ひかりこどもクリニック
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